混色すると色が暗く鈍る・濁るのはなぜか?

美術のテキストには「混色をすると色が暗くなるので、鮮やかな色を保つには、なるべく混色する色数は少なくしましょう。」といった文言が書かれています。

なぜ混色すると色が鈍ったり、濁ったり見えるのでしょうか?

結論から言えば、混色が進むと光の反射が弱くなっていくので、暗く鈍く見えるようになるからです。

赤が赤く見える仕組み

色が見える仕組みをざっくりと解説しましょう。

太陽の光や白い光には、緑の光や赤い光、青い光などが含まれています。赤の物体が赤く見るのは、1番多く赤い光を反射しているので、私たちの目には赤く感じます。

黒が黒く見える仕組み

黒い物体が黒く見えるのは、緑も赤も青の光を吸収してしまい、ほとんど光を反射しないため、私たちの目には黒く感じます。

混色が進むと、吸収する色の光が増えることになり、反射する光が弱くなって暗くなっていきます(明度と彩度が落ちていく)。

言い換えると、混色していくと黒に近づいていきます。黒に近づいていくので色が暗く鈍く、濁って見えるようになるということですね。

(厳密には絵の具の場合、混色していっても600nm付近の波長はわずかに残るので、完全な黒というよりも、少し赤みがかった黒っぽい感じになりますけど。)

混色すると色が暗くなる特性を利用した物

ざっくりと解説しましたが、みなさん混色すると色が暗くなることは体感的に知っている現象ではないでしょうか。

たとえば以下の商品。

暗記用のマーカーとシートです。赤のマーカーでなぞった部分は、緑のシートを重ねると黒く隠れます。逆に緑のマーカーでなぞった部分は、赤いシートを重ねると黒く隠れてしまいますね。

厳密に言えば、暗記用のマーカーとシートは重色・重ね塗りの原理ですが、混色で色が暗くなる仕組みとほぼ同じです。

まず白色光が緑のシートを経由し、緑の光が透過します。その緑の光が赤のマーカーに当たりますが、赤のマーカーは緑の光を吸収し、ほとんど光を反射しなくなります。結果、赤のマーカーで塗りつぶされた部分は黒く隠れてしまう…、というのが暗記用のマーカーとシートの原理です。

印象派の画家は、ほとんど黒の絵の具を使わずに、混色で黒を表現したそうです。たとえば緑の葉っぱの影の部分は、(補色である)赤系の絵の具を混ぜたり重ねたりして黒っぽい影を表現したそうですよ。暗記用のマーカーとシートと同じ理屈ですね。

以上が混色すると色が暗くなっていく原理の説明でした。

混色については、noteの有料マガジンにも投稿しています。

タイトルとURLをコピーしました