レジン液の盛り方は、いろいろな方法があります。今回は1つの要因に焦点をあてて、ぷっくりと厚くUVレジンを盛る方法と、逆に平らに盛る方法を解説します。
使用したUVレジン液は、100円ショップのセリアで購入した以下のカラーレジン(クリアブラウン)です。

厚く盛る場合は温度を上げる・平らにするには温度を下げる
結論から言えば、UVレジン液をぷっくりと厚く盛りたい場合は、レジン液を冷やせばOKです。私の場合、レジン液専用の冷温庫でレジンのボトルを冷やしています。逆に、レジン液を薄く盛りたい場合は、レジン液を温めます。密封容器にレジンのボトルを入れて湯煎すると、温度によっては、レジン液がとてもサラサラになります。(やけどしないように注意!)

上記の画像左がレジン液を温めて盛り、硬化させたものです。画像右がレジン液を冷やして盛り、硬化させたものです。厚く盛る場合は、よくUVをあてて硬化させる必要がありますのでご注意を…。
液体の粘度は温度で変化する
突然の質問です。冷蔵庫で冷やした麦茶をコップに注ぐ音と、煎れたてのホットコーヒーをマグカップに注ぐ音の区別ってできますか?おそらくほとんどの方が区別できるはずです。冷たい水を注ぐ音と、熱いお湯を注ぐ音は違うからです。
海外の動画ですが、以下のYouTubeの動画が参考になります。
主に気体や液体を流体と呼びますが、液体の場合は温度が上がると粘度が下がってサラサラな状態になります。逆に温度が下がると粘度が上がって、いわゆるとろみが出てきます。この粘度の違いによって、お湯を注ぐ音と水を注ぐ音に違いが出てきます。
つまり温度をコントロールできれば、液体の粘度もコントロールできるということですね。(これはレジン液以外でも応用できる原理です。)
液体の粘度が変化する仕組み
ここは読み飛ばしても大丈夫な項目です。液体の粘度が変わる仕組みを説明します。液体の分子をボール(球体)に例えてみます。ボールとボールとの間にスキマが大きいほど、ボールは動きやすくなります。こういったボールの隙間を自由体積と呼びます。液体は温度が上昇すると自由体積が大きくなり、粘度が下がります。自由に動けるスペースが増えて、流れやすくなるということですね。
逆に温度が下がると自由体積は減少し、粘度は上がります。自由に動けるスペースが減って、粘り気やとろみが出てくるということですね。

UVレジン液の場合、冷やして粘度が上がれば、より表面張力が働きやすくなり厚く盛ることができます。
レジン液を温めると気泡が抜けやすくなる
UVレジン液の気泡を抜く方法として、UVレジン液をエンボスヒーターなどで温める方法はよく知られていると思います。これも液体の粘性を利用した方法ですね。液体の温度上昇によって、液体の粘度が下がって(自由体積が上昇して)気泡が抜けやすくなるという原理です。
その他の方法
他にも支持体(土台)の形状や材質を利用して、表面張力を上げて厚く盛る方法や、少量であれば逆さにして重力を利用して厚く盛る方法などありますが、またの機会に解説したいと思います。