noteの有料記事にしようかと思ったのですが、とりあえず無料公開します。(後日、有料化する可能性もあります…。)
最初から紫の絵具を買うのが吉
インターネット上で、赤と青の絵具を混ぜても紫にならずに、茶色い色になった…というような書き込みを見ました。そうなんですよね、絵の具の混色で紫を作るのは難しいんですよね。
結論から言えば、混色をあきらめて紫の絵具を買いましょう。

上記は、100円ショップのワッツで購入したサクラクレパスのアクリルガッシュの絵具です。名のあるメーカー品なので当たり前かもしれませんが、たぶん100円ショップで買えるアクリル絵の具では1番性能がよいです。発色・彩度の高さや隠ぺい力、塗料の伸びも申し分ありません。
ネット上ではくわしく書けませんが、某100円ショップの某アクリル絵具は、あまり品質がよくないので、同じ100円(税抜)なら、断然サクラクレパスの絵具を買いましょう。
紫を作るのは難しい
さて、ここからが本題です。混色で紫を作るのが難しい理由を解説します。
100円ショップのワッツでは、サクラクレパスのアクリル絵具の青と赤は以下の4種類が販売されています。

画像左から
- コバルトブルー(7PB 3.6/17)
- セルリアンブルー (1.5PB 4.4/11)
- バーミリオン (8R 5.1/16)
- カーマイン (6R 4.2/14)
以上の4種類です。()内はチューブ裏面記載のマンセル近似値です。
さて、この4種類の絵具から紫を作るには、どの組み合わせにしますか?よければ少し予想してから、以下を読み進めてみてください。
セルリアンブルー×バーミリオン
画用紙に絵の具を塗ってみました。まずはセルリアンブルーとバーミリオンの組み合わせです。

この組み合わせが1番相性が悪いんですよね。2色を混ぜると暗いチョコレート色になりました。
コバルトブルー×バーミリオン

少し紫っぽくなりましたが、できた色は紫というよりもブラウン色でしょうか。
セルリアンブルー×カーマイン

これも色が鈍いですね。
コバルトブルー×カーマイン

4色のなかでは、この組み合わせが1番相性がよいです。水で薄めると、より紫っぽく感じられると思います。
なぜこのような違いがでるのでしょうか…?
原色であれば赤と青を混ぜると紫は正しい
よくインターネット上や書籍では、色を作るには赤・黄・青の3色の絵具があればOK…と書かれていることが多いです。
たとえば上記の本のAmazonレビューの1つが以下です。
同じ色を作ることが出来ません。本では3色から24色作る方法が載っていますが素人には難しい。最初から24色の絵の具を使った方が良いかな。
そうなんですよね。実際の絵具では、赤・青・黄色の3色だけで色を作るのは難しいです。原色ならば、赤・青・黄色でいろいろな色を作ることは可能ですけども…。実際は、さきほどの例のように青と赤を混ぜると、紫でなくチョコレート色になったりするから困りものです…。
なぜ青と赤を混ぜるとチョコレート色になるのか?
青と赤の絵具を混ぜるとチョコレート色になる理由を説明します。
実は青と言っても、世の中には「黄色みを含む青」や「赤みを含む青」もあります。
同様に、赤も「黄色みを含む赤」や「青みを含む赤」、黄色も「青みを含む黄色」や「赤みを含む黄色」があります。
「黄色みを含む青」×「黄色みを含む赤」
「黄色みを含む青」×「黄色みを含む赤」 の組み合わせを簡略化して図解したものが以下です。

この組み合わせが1番相性が悪いです。結局、青・赤・黄色の3色を混ぜているのと同様なので、鈍いチョコレート色になります。
「赤みを含む青」×「青みを含む赤」
「赤みを含む青」×「青みを含む赤」 は…。

2次色で紫を作るには、この 「赤みを含む青」×「青みを含む赤」 の組み合わせが1番相性がよいです。赤みを含む青を具体的に言えば『ウルトラマリンディープ』、青みを含む赤ならば『クリムソンレーキ』が代表でしょうか。
ただ、青みを含む赤って、あまり需要がないせいなのか、そもそもの絵具のラインナップにない場合があります。
実際に絵の具で混色を考えた場合、青・赤・黄色の3種類ではなく、「黄色みを含む青」「赤みを含む青」、「黄色みを含む赤」「青みを含む赤」、「青みを含む黄色」「赤みを含む黄色」の6種類の絵具がほしいですね。
ただ調色・混色は知識と経験が必要なので、入門者は素直に12色セットや24色セットなどを買うほうがよいと思います。慣れてから単色買いで、色数を増やすのがよいと思います。
Amazonなら2000円ほどでターナーの24色セットが買えるので、これからアクリル絵の具を購入されるなら有力な選択肢になると思います。単価で考えても100円ショップで買うよりも安く、色数も多いので。もちろん品質も高いのでおすすめです。