樹脂粘土とは?

造形の素材として日本の「樹脂粘土(じゅしねんど)」は、主にハンドメイド界隈使われることが多いと思います。あらためて樹脂粘土について解説したいと思います。

樹脂が主成分の粘土

紙が主成分の粘土が「紙粘土」、石粉が主成分の粘土を「石粉粘土」と呼ぶように、樹脂が主な成分で構成されている粘土が「樹脂粘土」と定義してもよいでしょうか。日本の樹脂粘土の場合、日本の木工ボンドでよく使用される「酢酸ビニル」という素材が主成分です。

海外だとポリマークレイ

海外に目を向けると、日本の樹脂粘土に相当する言葉は「ポリマークレイ(polymer clay)」でしょうか。ポリマー(polymer)は「高分子化合物」という意味で、クレイ(clay)は「粘土」という意味です。

100円ショップのダイソーの樹脂粘土も「Polymer Clay」という表記がありますね。

ダイソーの樹脂粘土

個人的に、この「ポリマー(高分子化合物)粘土」という呼び方は万能で羨ましく感じます。樹脂(レジン)やゴムなどもポリマー(高分子化合物)です。高分子化合物が主成分の粘土を「ポリマー粘土」と呼べばよいので、たいへん便利な言葉でしょう。

ポリマーとモノマー

話は脱線するかもしれませんが、ポリマーとモノマー(monomer)について。モノマーは、ポリマーを構成する単量体を指す言葉です。モノマーがたくさん集まって(重合して)ポリマーになります。

ギリシャ語で「モノ」は「1つ」という意味です。1つしかレールがない電車を「モノレール」と呼びますね。「ポリ」は同じくギリシャ語で「たくさん」という意味です。

ざっくり言えば、プロピレンというモノマーがたくさん集まって「ポリプロピレン」になりますし、エチレンというモノマーがたくさん集まって「ポリエチレン」になりますし、エステルというモノマーがたくさん集まって「ポリエステル」になります。

ちなみに古代ギリシャ語には、「島」を意味する「ネシア」という言葉があります。オセアニアの複数の島々を「ポリネシア」と呼びますが、さきほどの「ポリ(たくさんという意味)」と「ネシア(島という意味)」を組み合わせた言葉ですね。同様にミクロネシアは「ミクロ(小さい)」+「ネシア(島)」、メラネシアは「メラ(黒い)」+「ネシア(島)」です。「ミクロ」が小さいという意味なのは有名でしょうか。「メラ」は黒いという意味ですが、日焼けして皮膚が黒くなる「メラニン色素」の語源にもなっていますね。

乾燥で硬化するか重合で硬化するか

粘土は、硬化するプロセスの違いも重要です。

海外のポリマークレイは、塩化ビニル樹脂が主成分です。塩化ビニル樹脂の粘土は、熱を加えることにより、重合という反応が起きて硬化します。加熱には、家庭用のオーブントースターを用いるので、「オーブン粘土」という呼び方もされるようです。重合によって硬化する粘土は、他に「エポキシ粘土」などがあります。光硬化パテなども、重合で硬化する粘土ですね。

一般的に重合して硬化するタイプの粘土は、収縮が少ない傾向にあります。

日本の樹脂粘土の場合、主に酢酸ビニル樹脂に水分を加えて粘土状にしています。その水分が抜けて(乾燥して)粘土が硬化する仕組みです。乾燥によって硬化する粘土は、他に「紙粘土」や「石粉粘土」などがあります。

一般的に乾燥して硬化するタイプの粘土は、水分が抜けるため収縮が大きい傾向があります。ざっくりと言えば、乾燥後に5~10%前後ほど縮みます。

ちなみに冒頭で「日本の」木工ボンドの酢酸ビニルと表現しましたが、海外の木工ボンド(フランクリンのタイトボンドやゴリラグルーのボンドなど)は、乾燥でなく重合するタイプの「酢酸ビニル樹脂」なので、「日本の」という表現をしました。まぁ、個人的に酢酸ビニルを用いた日本の樹脂粘土で、重合型の粘土を見たことはないのですが…。

日本においてミニチュアフード製作の場合、自然乾燥する樹脂粘土を用いた作例が圧倒的に多いです。

樹脂粘土の性質も多様

各メーカーから樹脂粘土が販売されていますが、粘土によって性質は多様です。たとえば硬化後に弾力性に富むものもあれば、かなり硬くなる粘土もあります。透明感があるものもあれば、まったく透明感がない粘土もあり、いろいろな粘土を試してみて自分に合った粘土を模索する必要があるでしょう。

100円ショップのダイソーで販売されている樹脂粘土については、他にも記事を投稿しています。

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