アクリルガッシュ ジャパネスクカラーでミニチュアフードの味噌汁の色を表現する

素材・道具

ターナー色彩から発売されているアクリル絵具のシリーズに「アクリルガッシュ ジャパネスクカラー」があります。

ターナー色彩株式会社:ジャパネスクカラー

アクリルガッシュ ジャパネスクカラーとは?

アクリルガッシュ ジャパネスクカラーは、日本の伝統色をモチーフにターナー色彩より2001年に発売された不透明アクリル絵の具で、落ち着いた色合いとザラザラとしたマット(非光沢)な質感が特徴的です。

絵の具の色の素(もと)になる顔料(がんりょう)は、なるべく単一で配合されることが多いです。その理由は、複数の顔料を混ぜてしまうと色の鮮やかさが失われやすいので、顔料の種類は少なくするのが一般的です。

しかしながらアクリルガッシュ ジャパネスクカラーは、あえて2~5種類の複数の顔料を配合して色を作っている絵具で、従来のアクリル絵の具とは設計思想の異なる非常にユニークな製品だと思います。(一部のカラーは単一顔料です。)

なお、アクリル絵具については以下のような記事も投稿しています。

ミニチュアフード向きの絵の具

ミニチュアフードの着色の場合、あまり鮮やかな色を単体で使うとオモチャっぽい感じになってしまいます。落ち着いた色合いの多いアクリルガッシュ ジャパネスクカラーは、ミニチュアフード向きの絵の具と言っても過言ではないかもしれません。

特にミニチュアフードの味噌汁の着色を考えた場合、アクリルガッシュ ジャパネスクカラーのザラザラとした質感は、味噌汁の質感に最適だと思います。おそらくシリカかタルクのような体質顔料を粗めに砕いて混ぜていると思うのですが、これが濁った味噌汁の表現にぴったりです。アースカラーが多いのも味噌汁の色表現に向いていると言えるでしょう。

今回は4つのジャパネスクカラーを使って味噌汁の色を表現しようと思います。汁部分だけだと味気ないので、具材に豆腐パーツのみを入れています。以下の作例は、透明なUVレジン液にアクリルガッシュ ジャパネスクカラーを混ぜて、何層か段階的に硬化させて製作しています。(色見本用なので、製作物の造形クォリティが低いのはご容赦を…。)

生壁色(なまかべいろ)

まず最初は「生壁色(なまかべいろ)」。私がよくミニチュアみそ汁に使う色は、この「生壁色(なまかべいろ)」です。以下のツイートの味噌汁も生壁色を使用しています。

個人的に、とても使いやすい色なので重宝しています。多くの人がイメージする味噌汁のカラーリングと思われるので、ミニチュアみそ汁の着色に悩んでいる方はアクリルガッシュ ジャパネスクカラーの「生壁色」がお薦めです。

柴色(ふしいろ)

柴色(ふしいろ)は、生壁色よりも白味噌っぽい表現が可能だと思います。黄色寄りの色合いなので、柴色のほうが味噌汁らしく感じる方も多いかもしれません。ちょっとマニアックな解説をすると、黄色寄りの色合いの場合、隠ぺい力(下地を隠す力)が低くなるので、下層に配置した具材も透けて見えやすくなり、より奥行きのある立体的な表現に向いています。

煙草色(たばこいろ)

赤味噌の表現には、煙草色(たばこいろ)をお薦めします。今回は黒の汁椀で作例を統一していますが、汁椀の色によっては、前述の生壁色や柴色よりも煙草色のほうが映えるケースもあるので、煙草色も持っていて損はない色でしょう。

棕櫚色(しゅろいろ)

棕櫚色(しゅろいろ)は、煙草色よりも赤寄りの色になります。煙草色よりも、さらに赤だし系の汁物の色表現に向いていると思います。濃い赤味噌系のお味噌汁が好きな方は、こちらの棕櫚色がおすすめです。

以上が4種類のジャパネスクカラーの紹介でした。ミニチュア味噌汁の製作の参考になれば幸いです。

余談

余談ですが製作物のスケール(縮尺)によっては、みそ汁の色表現にターナー色彩の「水性グレインペイント」も使っていました。

この塗料も便利だったのですが、残念ながら廃番になってしまいました。

ちなみにジャパネスクカラーは、「砥の粉色(とのこいろ)」や「狐色(きつねいろ)」なども買っていたはずなのですが…、今回の製作時は発見できませんでした。またミニチュア味噌汁に使えそうなジャパネスクカラーがあれば記事に追記していきたいと思います。

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